#070:第三部第5篇第31章 貨幣資本と現実資本 U の参考 「要求払い」
「要求払い」(ykbdataの解釈では、預金者の都合でいつでも制限なくできる払い戻し要求への払い出し。いわゆる普通預金と当座預金が対象。)について思い出があります。
1979年、私は戸建て住宅購入の契約のために、銀行から数百万円を現金で引き出そうとしたら、支店長に呼ばれて「申し訳ありませんが、今日は他にも大口の払い戻しがあり、お客さんの払い戻し請求には応えれません。明日までに用意しますので、明日またご来店願えないでしょうか」と丁寧に言われました。
まず、なぜ多額の現金を下ろそうとしたかと言うと、不動産会社の要望です。裏事情があるのかとも考えましたが、そのとき住んでいた環境が良いアパートの隣に、別の新しいアパートを建てる計画が持ち上がり、防災上の懸念などからアパート住民で話し合って反対運動をしていましたが、法廷闘争までやることにはなりませんでした。私は子供も2人いたのでアパートから早く出たい気持ちが以前から強かったので、不動産会社の要望に沿うことにしたし、1日のことですから銀行の都合も了解したわけです。
いまなぜ、こんなことを思い出したかと言うと、日銀−地方銀行−支店のネットワーク全体では「要求払い」に対応できる準備金は確保しているのですが、ある1つの支店では「要求払い」が偶然にも集中すると現金(紙幣)が足りなくなるのです。これは想像ですが、本店−支店の間か、近隣の支店同士の融通が行われ、翌日の開店時までに紙幣が運び込まれ、翌日には全額払い戻しがされました。
「要求払い」に応じきれないと銀行は信用問題から口座の解約による資本の減少につながります。ましてやそれが噂になり、いわゆる「取り付け騒ぎ」に発展したら致命傷になります。「要求払い」への準備金は銀行への預金者の信用の土台になるわけです。
ということで、銀行業者にとっては普通預金と当座預金は激しく変動する「浮動資本」なのです。
2025年9月16日 ykbdata
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